衆議院予算委員会(2014年10月3日)

衆議院予算委員会で質問に立ち、地方創生と観光、福島第一原発被災地域の復興加速のための「福島イノベーション・コースト構想」、学校への太陽光パネル設置促進などについて質問しました

赤羽委員 公明党の赤羽一嘉でございます。
まず、地方創生について御質問したいと思います。
自公政権、安倍内閣が発足して一年九カ月、最大の課題でありました円高、デフレ不況からの脱却につきましては、いわゆるアベノミクス三本の矢政策で、我が国の経済を取り巻く環境が明らかに好転しているというのは、株価を見ても、有効求人倍率等々の指標を見ても明らかでございます。
しかしながら、そのいわゆるアベノミクスの恩恵が、中小企業また小規模事業者にまで行き届くのかどうか。また、私は神戸選出でございますが、神戸の地方経済ですらまだまだ、神戸、地方が元気になるというのは、まさにこれからが正念場であるというのが正直な実感でございます。
そうした中で、少子高齢化、人口減少化の中で、今回、地方創生というものを安倍内閣の最大のテーマに掲げ、地方創生担当大臣を創設し、そしてその大臣に、私の尊敬する実力政治家、石破さんを配置されたというのは、まさに政府を挙げて取り組むその姿勢、私は高く評価をしたい、こう考えております。
まず最初に、私の学生時代の友人について一言御紹介させていただきたいと思います。
彼は、実は新潟県生まれでございました。しかし、彼は、自分の夢を実現するためには東京に出なければいけないということで、学生時代、東京で過ごしました。就職も、大手の証券会社に勤務をしまして、将来を嘱望された人物でございました。
しかし、それが三十六歳のときに、実家の、自分の家の家業を継がなければいけないということで新潟県に戻りました。そして、一生懸命仕事をしている中で、自分の会社だけよくなってもだめだな、地域がよくならなければ限界があるなということを感じて、さまざまな地域おこしの事業に参画をされました。そういう活動をしているうちに、地元から請われて、実は市長になっているんです。
この市長は、実はさきの国連総会に、アメリカに、総理に同行された新潟県十日町市の関口市長、彼が私の友人でございます。
この前、よく彼と話をいたしました。彼は、まず、大変な状況の中でどうしようかと。地域おこし協力隊、大変感謝しておりました。これまで延べ四十名を受け入れておりまして、実は、任期を終えたうちの七割の方が定着をして、引き続き、自分で会社をつくったり、一生懸命十日町のために頑張っていただいている。そうした人たちのネットワークを生かして、地域住民と世界のアーティストが協働でつくり上げる世界最大規模の国際芸術祭、大地の芸術祭を開催するなど、実に多くの観光客の誘致にも成功して、そして、ふるさと納税も大幅に増加して、官房長官肝いりの政策だと思いますが、本当に目覚ましい地域活性化が進んでいるとお話を伺いました。
そのエッセンスが、この「本で旅する十日町」という、ガイドブックなんですが、これは大変すぐれものでして、地域の伝統芸能とかいろいろな見どころを正確な説明がされていて、加えて、へぎそばですとかコシヒカリとかさまざまな特産品、着物を生かしたお土産物といったようなものとか、あと、農業体験とか陶芸体験とかができるギフトセットにもなっているんです。四千円分使える。こうしたことの大変すぐれた、これは誰がつくったんだと聞いたら、これは実は、十日町が主催したビジネスコンテストで、東京の女子大学生が参画してつくってくれた。その彼女もこの十日町に来て一生懸命仕事をしてくれた。
まさに、大変厳しい状況の中で、知恵を出して、人を集めて、そして地元の方たちとも融合させて頑張っている地域だ。そういった頑張っている地方を、まず、国としてはぜひ強力に支援をしていただきたいというのが私の第一点でございます。
さはさりながら、この少子高齢化、人口過疎化の中で、どの地域も地方創生に成功するというのは大変難しいテーマだというふうに思っております。
我が公明党は、この地方創生のまず大前提として、そこに住む人が安心して暮らしていける行政サービス、特に、介護、医療、また、安全に暮らせる防災、こうした最低限のものを整える。そしてそれから、それからというか同時にですけれども、魅力のある働き場をつくる。まさに、主役は人だ、人が生きる創生を目指すべき、これは山口代表も井上幹事長も代表質問で主張させていただいたところでございますが、まず、この難題に立ち向かう安倍総理の見解とその決意を伺いたいと思います。
安倍内閣総理大臣 地方創生は安倍政権の最大の課題であります。
先ほど御紹介いただきましたように、三本の矢の政策で間違いなく経済はよくなっているんですが、残念ながら、全国津々浦々にはまだ広がっていない。特に地方の中小・小規模事業者はそうだと思います。
その中において、地方の人口がどんどん減少しているという状況に我々は直面をしているわけでありまして、ここでしっかりと地方をまさに夢のある地域にしていく、チャンスのある地域にしていくことが求められている、こう思います。
その中において、やはり人に着目した地域づくりをしていく、当然のことであろう、このように思います。今までのような省庁縦割りを排していく、そして、従来の取り組みの延長線上にはない政策を実行していきたい、こう思っています。
例えば、東京在住の四割の方が地方への移住の意思を持っているという調査があります。彼らの不安は、地方に行くと仕事がない、あるいは、さっき委員が指摘をされたように、介護、医療は大丈夫だろうか、また、学校は大丈夫だろうかというのがあるんですね。
こうした不安を取っていくことによって、この皆さんの希望を実現していくことで、これは、地方にどんどん人材が出ていく、出ていった人材が新たに仕事をつくっていくということにもつながっていくんだろうと思います。
先般、島根県に行った際に、地域おこし協力隊によって海士町に行った若い女性なんですが、京都大学を出てゲーム会社に就職をして、そしてゲーム会社でその会社の人材育成、教育の責任者だったんですが、自分の人生はちょっと違うんじゃないかと思って、この海士町に協力隊で行って、そして今やもう定住をしているんです。彼女のアイデアによって、高校、魅力ある学校づくりに取り組んだんですが、高校の生徒数がふえる、当然、生徒数がふえるということは、人口増にも彼女のアイデアで大きな成果を得ているということであります。
できることはたくさんあるわけでございまして、地域のよさをしっかりと見ながら、金太郎あめのような町をつくる、あるいは国が型にはめていくということではなくて、この創生本部においても、どんどん地域に出ていって、地域の声を聞きながら、人を中心に据えた地方創生を行っていきたい、このように思います。
赤羽委員 大変力強い決意、ありがとうございます。
今の御答弁を聞いておりまして、私も感じたことがございます。
私の地元に実は有馬温泉があって、この有馬温泉というのは三大古泉でもあるんですが、塩分と鉄分が大変高くて、金の湯というのは真っ赤なんですね、手拭いを入れると赤くなる。大変すごい成分でございまして、アトピーなんかも簡単に治る。私は最初に行ったときに大変驚いたんですが、実は、その宝物のようなお湯の成分を地元の人は当たり前と思っているんですね。地域のリソースというのになかなか地元の人は気がつかない。
ですから、新しい人、若い人がそういったところでさまざまな、柔軟な思考から地域創生につながるようなことが政府・与党を挙げてどんどん出てくること、また我々も頑張りたい、こう考えております。
次に、地域の魅力をいかに磨き上げていくか、これは大変大事だと思っております。先ほど、十日町の例でお示しをしたとおりでございます。製造業を育てるとか、サービス業のさまざまな課題はあると思いますが、所信表明演説にもありましたように、しっかり観光業とリンクしながら、地域の魅力のブラッシュアップ、磨き上げをしていくというのは大変意味のあることだ、こう思っております。
観光業につきましては、外国人旅行客が昨年初めて一千万人の大台を超え、本年も、ビザ要件を緩和した、例えばタイとかマレーシアからも訪日の外国人は大変数もふえておりますし、中国からの日本への訪日客は前年より八四%も増になっている、リピーターがふえているといった状況があります。
政府間がたとえ難しくても、こういう旅行を通して国民同士が文化交流を進めていくというのは大変意味のあることだと思いますが、残念ながら、そうした外国人の旅行客、いわゆるゴールデンルートといって、東京に来て富士山に行って京都に行って帰る、こういったことが相場になっているんですが、ぜひ日本各地のよさを知っていただく、それこそ地方の創生につながる。
ですから、新たな地域で日本各地のよさを体験できるような観光周遊ルートのプロモートですとか、また、消費税の免税ができるお店というのは結構限られているんですが、地方の商店街でも工夫はできるはずなんですね。そうすると、地方で疲弊化した商店街も、やりようによってはまだまだやっていける可能性もある。
そういった意味で、地方創生に資する観光政策の取り組みについて、担当の太田国土交通大臣に伺いたいと思います。
太田国務大臣 おっしゃるとおり、地方創生にとって観光は極めて重要なことでありますし、昨年十二月二十日に念願でありました外国人旅行客一千万人を達成しまして、ことしも大変好調が続いておりまして、リピーターも多く、買い物に来る方も多く、そしてクルーズ船がかなりふえてきているという状況にありまして、去年の二〇%以上、現在のところふえるという傾向にあるということであります。
見るもの、食べ物、買い物という三つが大事で、地方創生のそれぞれの市町村が、我が都市、市で、見るものとしては何があるかと。この見るものは、景色がすばらしいということも当然ありますけれども、歴史とか文化ということが非常に外国の方にとっては魅力的であるということだと思います。
それから、食べ物そして買い物、それぞれのところを今度は流れで結んで、点で帰るのではなくて、線にそれを持っていく。そして、一泊、二泊していただくようなルートを形成するということが大事で、今おっしゃいましたゴールデンルートというのではなくて、例えば中部から北陸に至るところ、昇龍道ということで、伊勢の方から竜の尻尾、能登半島が竜の頭ということで、ずっとルートをつくって、それぞれに見るもの、食べ物、買い物というものをセッティングするというような、地域のブランドをブラッシュアップするということに今努めて、さらに、この地方創生ということに絡んで、その辺を戦略的に取り組んでいく必要があるというふうに思います。
食べ物そして買い物、買い物の中には、今御指摘のありました消費税の免税制度ということで、十月一日から拡大して始めさせていただいたりしておりまして、ビザの緩和やブラッシュアップということと同時に、さまざまな意味でバックアップして、地方の創生に大きく寄与するということに努めたいと思っているところであります。
赤羽委員 見るもの、食べ物、買い物、太田大臣らしいネーミングだなと思って感動しましたが、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
次に、東京電力福島第一原発被災地域の復興の加速について質問させていただきたいと思います。
私自身、一昨年の十二月二十七日に経済産業副大臣そして原子力災害の現地対策本部長を仰せつかりました。以来、原則週二日、被災地域に足を運びながら、一日も早い福島復興の加速を目指して仕事をさせていただきました。
こうした行動は、実は私、二十年前、私自身も阪神・淡路大震災で被災いたしました。住む家がなくなった被災体験をしながら、東京と被災地の温度差、余りの温度差に大変悔しい思いをした。そうさせてはいけないという信念から、原則、できるだけ多く被災地のところに足を運んで現場の声を聞いていこう、こう思ったわけでございます。
ただ、自然災害と異なって、原子力災害特有の大変難しさがあり、また、私が引き継ぐまでに、相当東京電力そして政府に対する被災者の信頼感も損なわれ、大変難しい作業でございましたが、幸い、この四月一日に田村市の都路地区で、また今月の一日には川内村で避難指示の解除を実現することができました。総理には両方の地域にもすぐ足を運んでいただきまして、心から感謝をしているところでございます。
いよいよ避難指示解除が進み、これから本格的な復興支援が展開される、新しい展開、局面になったな、私たちも頑張ろう、こう考えておるところでございますが、一方で、大変心配をされ、正確な事実が伝わっていない福島第一原発の廃炉・汚染水問題についても一言言及しておきたいと思います。
昨日、参議院の本会議でも山口代表から正確に発言をしていただきましたが、昨年の夏は、大変ヒューマンエラーの連続で、汚染水の問題が発覚し、大変御心配をおかけしました。私も、通う中で、何とかこれを変えなければいけないということで、総理の御理解もいただきながら、昨年九月に国が前面に立つという国の方針転換を行って、現地事務所も設置し、常駐者も張りつけて、それ以後は、東京電力、政府そして規制庁が一体となって、福島第一原発の中で起こった全ての事象について徹底して議論をし、そしてその具体的な対策を徹底してとろう、こういうリズムで昨年の九月からずっと展開をさせていただきました。
その結果、連日大変厳しい現場の環境の中で、今約六千名の方が作業に従事していただいていますが、皆さんの御奮闘で、例えば四号機の建屋からの使用済み燃料棒の取り出しも予定より早く進行しておりまして、着実に前進している、私はこう考えておるところでございます。
ヒューマンエラーのようなトラブルも、実はほとんど最近起こっていません。新聞報道に出るのは、昨年のこととか、そうした昔のことでありまして、私の正直な感覚、責任を持って発言させていただければ、たとえヒューマンエラーが起こったとしても、深刻な事態にはならないだけの現場の組織は構築できた、まさにザ・シチュエーション・イズ・アンダー・コントロールが実現しているものだということを改めて、きょうはテレビ放送が出ていますので、なかなかいい話というのは報道してくれないものですから、責任者であった私の立場からそう伝えていきたい、こう考えております。
しかしながら、ふるさとに帰りたいと考えている被災者の皆さんにとりまして一番の問題は、実は、あの浜通り地域というのは、原子力関係で雇用されていた方が大半でありました。そうでない方は農林水産、酪農業。そうした方たちが、戻っても働く場があるのかどうか、農林水産業がこの風評被害の中で展開できるのかどうか、どっちにしても夢を持つことはできないなと大変複雑な苦しい状況でいらっしゃるのが、福島第一原発の被災地域の大半の皆さんの心情だというふうに思っております。
ですから、私は、現地対策本部長としてやらなければいけないことは、この地域の皆さんが夢を持って、そして誇りを持って、健康を回復してふるさとに戻ってこられるような、そういった地域再生を、まさにふるさと創生を国の責任としてやらなければいけないということで、福島イノベーション・コースト構想の研究会を立ち上げて、この夏にまとめさせていただいたわけでございます。
その内容、お手元の資料で配らせていただいております。
この二つの流れがございまして、一つは、廃炉。廃炉といっても、やはり初めてのチャレンジであります。事故炉の、原子炉の廃炉というのは人類史上初めてのチャレンジでありまして、今、三十年から四十年の工程がかかると言われております。まだ放射線量が高い一号機から三号機の中では、人が入れませんので、その中でデブリの取り出し等々、大変な困難が待ち受けている。しかし、これは必ずやり抜かなければいけないことである。
そのやり抜くための、国内外の、世界の英知が結集できる開発拠点、国際廃炉研究開発拠点ですとか、遠隔作業ができる災害対応のロボット開発・実証拠点をつくるということが一つの柱でございます。
もう一つは、新しい産業基盤の構築であります。
福島県民の皆さんは、原発の再稼働というのはとても考えられないような状況でございますし、私は、まさに再生可能エネルギーのトップランナーの地域になるべきだ、こう考えております。
そうした思いで、この四月から、郡山市にでありますが、産総研の福島再生可能エネルギー研究所を立ち上げて、世界トップの再生可能エネルギーの拠点にするべく全力を挙げているところではございます。
そうした中で、ちょっとわかりやすい図が、スマートエコパークのイメージ、新しい再生可能エネルギー、特に森林が多い地域ですから、バイオマスを利用して、新しいエネルギー源として生んで、そして、なりわいの農業を、例えば植物工場を集積して、ICT化する農業で、福島の浜通り地域の農業は、日本で一番安全でおいしくて、すばらしい食品ができる、こういったことをつくる努力をしていかなければいけない。そして、再生可能エネルギーを初めとするエネルギー産業でも数多くの雇用が生まれるもの、こう期待をしているところでございます。
他方、冒頭申し上げました、遠隔作業ができる災害対応のロボットについてでございますが、このロボット、日本は技術力というのは大変高いんですが、やはり、例えばアメリカなんかに比べると実践型がない。だから、ロボットの技術はあっても、このロボットが、商品化と言うと変ですけれども、フル活動できるような状況じゃない。
そのために、まず、ロボットの開発技術、技術者が集結できるような国立の研究所、アメリカのハンフォードというところの例に倣えば、国立の研究所が設置されて、そしてそこに世界じゅうの、本当にロボットの開発研究ができる人たちが集まる。モックアップ施設が先週着工いたしまして、来年度からモックアップ施設自体は稼働するわけでございますが、それにとどまらないで、やはり世界じゅうの拠点が、福島・浜通りにロボットの実証拠点があるんだということをつくるべきだと思っております。
そのために、ここに書いてあるんですけれども、ロボットテストフィールド、なかなか我々実感はないんですが、これは実は、アメリカのテキサスA&M大学にディザスターシティーというのがございまして、広大な地域に、ゴルフ場みたいなところで、一番ホールには鉄道事故の現場、二番ホールでは石油化学コンビナートの火災現場、そういった現場を模擬した部分がありまして、そこでロボットの対応や人の訓練がなされているところがございます。
そうしたものをつくるということが実は大事で、これは実は、国内の防衛省、また災害対応の国土交通省初めさまざまな関係省庁でも、このことについては、民間の企業はもちろんでありますが、大変こうした声が強いわけであります。しかし、これは規制緩和を伴うことでありますし、官需がないとなかなかこうしたものは展開できないという難しさもございまして、なかなか前に進むことが難しいなと。
ですから、きょうはその一つの質問であり、お願いでありますが、この福島の再生は、私は、一番困難を受けられた地域は一番幸せになる権利がある、そうした思いでこの構想を立ち上げましたので、ぜひ、絵に描いた餅に終わらせずに、政府の中でこのイノベーション・コーストを実現できる体制を安倍総理のリーダーシップでつくっていただきたいとお願いするものでございますが、御答弁いただきたいと思います。
安倍内閣総理大臣 福島の再生のためには、まさに議員がおっしゃったように、地域の再生への道筋を示しながら、雇用を生み出す新しい産業基盤を構築して産業復興を図っていくことが必要だろうと思います。
そういう中において、復興といっても、新たな福島をつくっていく、そういう夢をやはり示していく必要があります。
ずっともう地元に張りついていただいた赤羽さんに、原子力災害現地対策本部長を務めていただいたわけでありますが、取りまとめていただいた福島イノベーション・コースト構想は、廃炉の研究開発拠点、そしてロボットの研究、実証拠点の整備、そして、これらを支えるまちづくりを含んだ幅広い構想であるというふうに思います。
この構想は、まさに福島の浜通りの産業復興の柱となるものであり、その具体化に向けて、政府一丸となって取り組んでいきたいと思います。
赤羽委員 私も、任期の一年八カ月の間、あらゆる福島の会合に出ましたが、最終回だけ初めて参加者全員から拍手が出た。そのくらい地元の期待が強い案件でございますので、ぜひ、これは、二〇二〇年東京オリンピックに来られた外国人の方は、ほとんどが福島の再生を見に行かれると思うんです。そのときにどうなっているかというのは、まさに国のこけんにかかわる大変重要なプロジェクトでありますので、今の御答弁のとおり、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
最後に、エネルギー政策について一言申し上げたいと思いますが、三・一一以来、日本はエネルギー制約に直面をしております。私は、安全面、経済面、また安定供給面、そして環境面、この四つのファクターを全てクリアできるような電力源というのはなかなかない、ですから、現実的なベストミックスをしていかなければいけないと。
しかし、いずれにせよ、私は、再生可能エネルギーを育てるというのは大事だと。固定価格買い取り制度を実施してもう経過しておりますが、まだ全体ではたった二・二%なんですね。ですから、ここをもう少し頑張らなきゃいけない。私は、そのために、ぜひ、具体的な提案が一つございます。
これは、実は、平成二十一年、麻生政権の一番最後の補正予算で公明党が頑張って立ち上げた、学校教育の現場をよくしようということで、耐震化と省エネ化とICT化を進めるという特段の事業をいたしました。総事業費一兆円を超える事業で、国が二分の一補助で、それで、臨時交付金というのもその補正予算でつくっていただきましたので、実に国から九五%補助金が出る。その結果、実は、三万五千校のうち二〇%近い六千校を超えるところに太陽光パネルが設置されました。
具体例が幾つかありまして、その学校の校長先生のいろいろ発言を聞きますと、やはり環境教育が身近になった、実際、災害があると、避難、防災の拠点になりますから、地域の皆さんも大変喜んだ、地域が協力するようになったと。
実は、太陽光パネルというのは、地元の工務店さんとかにとって具体的なお仕事ですし、節電にもなります。最近、地球温暖化の影響で、学校の冷房化というのが大変進んでいまして、学校の消費電力というのは極端に上がっていく傾向があるんですね。
ですから、私は、このスクール・ニューディールで太陽光パネルを全国に設置しよう、こういった問題をもう一度展開していただきたい、こう念願するんですが、ぜひ担当大臣の小渕経済産業大臣から御答弁いただきたいと思います。
小渕国務大臣 ありがとうございます。
委員御指摘のこの自家消費型の再生可能エネルギーは、電力の系統の負担が少ないことに加えて、これは災害等の緊急時の非常用電源としても活用ができると期待もされています。
これは、二十四年から、自家消費型の再生可能エネルギーを導入する事業者に対して費用の三分の一を補助する事業を開始しております。とりわけ、御指摘の公立小中学校のような地方自治体が導入するものについては、補助率を三分の一から二分の一に引き上げることによりまして、重点的に支援を行っているところであります。
引き続き、再生可能エネルギーの導入について最大限頑張ってまいりたいと思います。
赤羽委員 ぜひ、文部科学大臣とも協力をしていただきまして、もう一度国民運動として展開されることを強く期待いたしまして、私の質問とさせていただきます。
ありがとうございました。