公明新聞(2020年10月20日)より
民有地の斜面崩落防止
防護ネット設置など 交付金で対応可
神奈川県内の事故受け国交省
通学路やバス路線をより安全に――。国土交通省は、道路に面する民有地の斜面の崩落などを防ぐ対策を強化し、公道の安全確保に取り組む。同省は民有地の斜面に防護ネットの設置などを行う場合、その費用に国の「防災・安全交付金」を充てられることを明確化し、14日付で各地方整備局などに通知した。
この通知は都道府県や市区町村にも周知される。同省担当者は「地方自治体の取り組みを積極的に支援し、安全管理を図っていきたい」と話している。
本来、民有地の管理は土地所有者に委ねられている。しかし、経済的事情から安全対策が不十分なところもある。各地の自然災害で民有地の土砂崩れが相次いでいることもあり、住民の安全確保のため対策強化を求める声が上がっていた。
公明党神奈川県本部(代表=上田勇前衆院議員)の所属議員は、今年2月、神奈川県逗子市の市道沿いで民有地の斜面が崩落し、歩行中の女子高生が土砂に巻き込まれて犠牲となった事故を受け、民有地の斜面対策の強化を主張した。
同3月、三浦信祐氏が参院予算委員会で、土砂災害警戒区域などの指定要件に道路が明記されていない点を指摘し、「公道の安全確保を早急に実施すべきだ」と訴え。今月13日には、遠山清彦衆院議員らと共に赤羽一嘉国交相(公明党)に対し、民有地の斜面対策を国の財政支援で進めるよう要請。赤羽国交相が前向きに取り組む意向を示していた。