災害に強い国へ総力

改正国土強靱化基本法成立

改正防災・減災、国土強靱化基本法(議員立法)が14日の参院本会議で、自民、公明の与党両党、立憲民主、日本維新の会、国民民主など野党各党の賛成多数で可決、成立した。共産党などは反対した。2025年度で終了する防災・減災、国土強靱化のための国の5カ年「加速化対策」後も継続して対策に取り組むため、実施中期計画を法定化することにより、中長期的な見通しの下、防災・減災対策や国土強靱化を着実に推進できるようにすることが狙い。

防災・減災の中期計画を法定化
「5カ年」後も対策継続

5カ年「加速化対策」後に向けた議論を始めた党委員会=2022年4月13日 衆院第2議員会館

改正法では、国土強靱化実施中期計画の策定を政府に義務付ける。計画期間を示した上で、期間内に実施すべき施策の内容や目標などを設定。施策の進捗状況などを踏まえ、特に推進が必要な施策の内容や事業規模についても定める。

また、政府の国土強靱化推進本部の下に、学識経験者を委員とする「国土強靱化推進会議」を設置する。

公明党は5カ年「加速化対策」後も継続した取り組みが必要との観点から、党「新たな防災・減災・復興政策検討委員会」(委員長=赤羽一嘉幹事長代行)を中心に、昨年4月以降、関係者との意見交換を重ねてきた。昨年11月には、自民、公明の与党両党で防災・減災、国土強靱化推進プロジェクトチーム(PT)を発足。公明党から赤羽幹事長代行が座長代理に就くなどして、今回の法改正に向けた議論をリードしてきた。

今年5月に与党PTが改正案をまとめ、野党側に賛同を呼び掛けた結果、6月2日の衆院災害対策特別委員会で委員長提案で提出された。

■公明、議論リード

議員が連携し着実に実行
与党PT座長代理・赤羽一嘉党幹事長代行

防災・減災、国土強靱化を巡って公明党は、18年度から3カ年の「緊急対策」、さらには、21年度から総事業費15兆円に上る5カ年の「加速化対策」を推進してきた。災害が激甚・頻発化する中、中小河川を含む流域治水プロジェクトを全国各地で立ち上げ、堤防の強化や河道掘削、老朽インフラの「予防保全」といった取り組みが進み、被害の最小化など大きな効果を上げており、自治体からも非常に感謝されている。

しかし、自治体からは、今後の継続性に不安の声が上がっており、中長期的な防災・減災対策を講じることができるような法改正を強く求められていた。そうした中で、今回成立した改正法によって、実施中期計画の策定が法定化される意義は非常に大きい。25年度で終了する「加速化対策」の後も、自治体は中長期的な見通しの下で切れ目なく対策に取り組むことができるからだ。

これからも公明党は、「防災・減災を社会の主流に」と掲げ、国と地方の議員が連携し、防災・減災対策の着実な実行を進め、災害に強い国土づくりに力を尽くす。