“東日本大震災12年4カ月” 漁業再生、伝承活動支援へ

岩手、宮城の被災地を調査
党復興加速化本部党復興加速化本部

公明党東日本大震災復興加速化本部(本部長=赤羽一嘉幹事長代行)は9、10の両日、岩手、宮城両県の沿岸被災地を訪れ、復興の現状を調査するとともに関係者から要望を受けた。井上義久常任顧問、高木陽介事務局長(衆院議員)、庄子賢一衆院議員、若松謙維、横山信一の両参院議員と地元議員が同行した。

「釜石の出来事」について説明を受ける高木事務局長(前列左から3人目)ら=9日 岩手・釜石市

一行は9日、岩手県の山田湾でトラウトサーモンの海面養殖に取り組む山田町の三陸やまだ漁業協同組合(菊地敏克組合長)を視察。菊地組合長は「4年前から主要魚種であるサケの不漁が続いている。これに代わる安定的な水産資源の確保へ、養殖技術とブランド化の確立をめざしている」と説明した。

釜石市の「うのすまい・トモス」では、山崎長栄、細田孝子の両市議らと、児童生徒が津波から迅速に避難し無事だった「釜石の出来事」について聴いた。

大川小学校の遺族から当時の話を聴く赤羽本部長(前列右端)ら=10日 宮城・石巻市

赤羽本部長らは翌10日、宮城県入りし、伊藤和博、横山昇、遠藤伸幸の各県議と大池康一党県青年局次長らと震災遺構などを視察。津波で児童・教職員84人が犠牲になった石巻市の大川小学校を訪問し、児童遺族の有志でつくる「小さな命の意味を考える会」の佐藤敏郎さん、佐藤和隆さんの案内で被災校舎を見て回った。両氏は「対話を通して来館者と思いを共有できる場の設置など伝承施設の充実を図りたい」と望んだ。

同市のデ・リーフデ大川で再生可能エネルギーを使用したトマトなどの一貫生産の現場を調査したほか、南三陸ホテル観洋が運行する「語り部バス」に乗車し、南三陸町の震災遺構を見ながら当時の体験に耳を傾けた。

視察後、赤羽本部長は「地球温暖化などの影響による水産資源の新たな課題を認識した。震災遺構の維持と伝承活動を後押しし、防災意識を高めていきたい」と語った。

岩手県では、野田武則・釜石市長、佐々木拓・陸前高田市長、佐藤信逸・山田町長、宮城県では、菅原茂・気仙沼市長、斎藤正美・石巻市長、佐藤仁・南三陸町長らと会い、被災者への心のケアとコミュニティー支援の継続、災害援護資金の償還期限の延長などの要望を受けた。