補正予算案 審議入り
物価高 デフレ脱却まで減税を
成長の波及効果 地方、中小企業にも
政府は20日、「デフレ完全脱却のための総合経済対策」の裏付けとなる2023年度補正予算案を国会に提出した。物価高への対応や企業の賃上げ促進が柱。低所得世帯に7万円を給付する措置や、24年4月末まで期限延長を決めた電気やガス、ガソリンをはじめ燃油代の負担軽減策なども盛り込んだ。衆議院は同日、本会議を開き、鈴木俊一財務相の財政演説と各党代表質問を行い、同予算案が審議入りした。公明党から赤羽一嘉幹事長代行が質問に立った。
赤羽氏は、食料品をはじめ物価高による家計への影響の大きさに言及。「今、最優先すべきことは物価高に苦しむ人々が安心できるようにすることだ」と力説し、住民税非課税世帯などに対する7万円の給付措置について年内の実現を訴えた。 岸田文雄首相は、給付はスピード感ある対応が重要とし、自治体と連携しながら「年内の実施開始をめざす」と応じた。 一方、赤羽氏は来年6月に実施予定の所得税などの定額減税について、「一度きりの減税で本当にデフレから脱却できるのかと多くの国民は思っている」と指摘。減税の継続について政府の見解をただした。 岸田首相は、減税はデフレに後戻りしないための一時的な措置だとしつつ、賃上げと減税により「可処分所得が物価を超えて伸びていくよう取り組む」と述べた。 また、赤羽氏は、中小・零細企業はエネルギーの高騰や人手不足などで賃上げは容易でないと指摘し、国民生活を支える物流業や災害復旧にも携わる建設業の賃上げへ「政府が本腰を入れるべきだ」と強調。斉藤鉄夫国土交通相(公明党)が「関係省庁、産業界とも連携し、全力を尽くす」と答弁した。 さらに赤羽氏は、介護士など公定価格で賃金が決まるエッセンシャルワーカーの賃上げ実現も要請。これには岸田首相が処遇改善に向けた対応を行うと述べた。 このほか赤羽氏は、経済成長に向けて半導体や次世代エネルギーなどに集中的な投資を行い、国際競争力を付ける重要性を強調。その上で、成長の波及効果が地方の中小企業に行き渡るよう推進すべきだと訴えた。
衆議院本会議での代表質問の模様は、こちらから↓
◆質問要旨
【物価高から国民を守る】1’35〜3’15
【中小企業を含めた持続的賃上げ、人手不足対応など】3’16〜4’49
【女性活躍】4’50〜6’12
【省人化投資⇒生産性向上】6’13〜7’41
【成長力強化、国内投資促進など】7’42〜8’10
【国土強靭化、防災・減災】8’11〜8’50
【結びに】8’51〜9’20
【岸田総理ならびに関係大臣の答弁】9’21〜22’08