【能登地震】党災害対策本部が現地調査

再建へ長期的支援が必要 
被災者、事業者から要望聴く

能登半島地震で甚大な被害を受けた被災地の生活・なりわい再建に向けた課題を探るため、公明党「令和6年能登半島地震災害対策本部」は3、4の両日、石川、富山、福井各県の被災現場を訪れ、状況を調査するとともに、観光や漁業、伝統的工芸品産業の再建に向けた支援などを巡り被災者や地元事業者らから窮状を聴いた。

旅館、漁港、深刻な打撃
石川・七尾市で赤羽氏ら

大きな被害を受け、休業が続く和倉温泉を調査する赤羽氏(左から2人目)ら=3日 石川・七尾市

党対策本部の赤羽一嘉総合本部長代理(幹事長代行)と中川宏昌本部長代理(衆院議員)は3日、全国有数の温泉地である石川県七尾市の和倉温泉を調査した。小松実県議、坂秀明・金沢市議、江曽ゆかり・七尾市議が同行した。22の旅館やホテルが立ち並ぶ和倉温泉では断水が続くなど、全旅館が休業を余儀なくされている。和倉温泉観光協会の担当者によると、和倉温泉は1~2月で約7万7000人のキャンセルが発生。損失額は20億円以上にも上るという。一行は、震度6強の地震で建物に亀裂が生じるなどの被害を受けた旅館を視察。各旅館の復旧見通しについて、石川県旅館ホテル生活衛生同業組合の多田計介理事長と和倉温泉旅館協同組合の谷崎裕理事長らは「営業の全面再開には、1~2年以上かかるのではないか」と説明した。

雇用維持へ国の助成拡充を

その後の意見交換会で、谷崎理事長らは、和倉温泉における上下水道の早期復旧を強く要請。今回の地震を受け、政府が実施している雇用調整助成金の特例措置について、観光産業の人材流出を防ぐため、助成率の最大10割への引き上げなど万全の財政支援を求めた。赤羽氏は、和倉温泉街の営業再開までの間、奥能登復旧の支援拠点にすることなどを含めて「できることは何でもやる。いろんな知恵を出して、未曽有の状況を乗り越えたい」と力強く語った。

岸壁が損傷した石崎漁港で、なりわい再建に向けた要望を聴く赤羽氏(右から3人目)ら=3日 石川・七尾市

一方、岸壁や漁船が損傷するなどの被害を被った石崎漁港では、県漁業協同組合から現状を聴取した。組合側は、海底が隆起しており調査が済むまで最盛期を迎えたナマコ漁に出られないと説明。「このままでは先が見えずに辞める人も出てくる。漁師が安心できるよう中長期的な支援をしてほしい」と窮状を強く訴えた。赤羽氏は、中長期的な支援を政府に求めていく考えを示した。 これに先立ち、一行は茶谷義隆市長と懇談。茶谷市長は、市内の断水状況について「1月末で約33%は通水した。2月末までに8~9割の復旧をめざす」と語った。