“公明、首相に緊急提言” 円安、酷暑克服へ支援を

電気・ガス代補助、8月から
ガソリンなど燃油料金の抑制続けよ

公明党政務調査会(高木陽介会長)の上田勇会長代理(参院議員)らは27日、首相官邸で岸田文雄首相に会い、物価高対策に関する緊急提言を申し入れた。5月使用分で終了した電気・都市ガス料金の負担軽減策を8月から3カ月間実施することや、ガソリンなど燃料油価格の激変緩和対策事業の年末までの継続などが柱。岸田首相は「提言を受けて、しっかり具体的に政策を進めていく」と応じた。

■中小企業、LPガス利用者の負担も軽く

岸田首相(右から4人目)に提言を申し入れる上田政調会長代理(左隣)ら=27日 首相官邸

冒頭、上田氏は、円安基調の中で物価が高騰し、家計が苦しくなっている現状や、これから厳しい暑さが予想されていることに言及。「健康に影響が及ばないよう、エアコンの利用を、ちゅうちょするようなことがあってはならない」とし、必要な対策の実施を求めた。 提言では、電気・都市ガス料金の負担軽減策について、8月から10月の使用分まで可能な限り速やかに対策を講じるよう要請。これらの軽減策が必ずしも行き届いていない地域や中小企業・小規模事業者らの実情を踏まえ、特別高圧電力、LPガス(プロパンガス)利用者の負担軽減につながる支援策継続の検討を求めた。 燃料油価格の激変緩和措置については、為替の影響が大きく、原油価格の高騰が続いているとし、家計や事業者が今後の見通しを立てやすくなるよう、年末までの延長を要望。軽油や灯油、重油、航空機燃料、タクシー事業者用のLPガスについても、これまでと同様に支援対象とするよう訴えた。 提言ではこのほか、物価高騰の影響が大きい年金生活者や所得が低い世帯への追加負担軽減策について検討すべきだと主張。中小企業・小規模事業者、医療・介護・福祉事業者などや、家計に急激かつ過度な負担が生じないよう、エネルギー価格の動向や経営環境、地域の実情などを慎重に見極めつつ、必要な対策を求めた。 一方、27日午前、東京都新宿区の党本部で開かれた中央幹事会で山口那津男代表は、「円安が続いて輸入価格が高騰し、電気、ガス代など諸物価の高騰につながって国民生活を圧迫している」と指摘。また、今夏が例年より厳しい暑さとなり、秋まで続くとの気象予報に触れ「電気代がかさむことを恐れてエアコンを使用せず熱中症になったり、それが原因で亡くなる人が出る事態は絶対に避けなければならない」と力説した。 その上で、今回の負担軽減策について「今夏の特殊な状況、円安の影響を受ける経済全般の課題を見据えた上で、酷暑克服のための支援策を講じる」と強調した。