年収「103万円の壁」引き上げへ
国民民主と真摯、誠実に協議
財源確保へ知恵出し合う
斉藤代表、赤羽税調会長が強調
公明党の斉藤鉄夫代表は19日午前、東京都新宿区の党本部で開かれた中央幹事会であいさつし、所得税が課され始める年収「103万円の壁」への対応などを巡る自民、公明両党と国民民主党との3党協議について、「3党の幹事長による合意で示された方向性に向かって、誠実に協議を進めたい」との考えを示した。赤羽一嘉税制調査会長(副代表)も同日、党本部で開かれた記者会見で見解を述べた。両氏の発言は大要、次の通り。
【斉藤代表】
一、「103万円の壁」の引き上げを巡り、国民民主党から合意を無視したとの声が出ているが、全くそのようには考えていない。178万円をめざして協議を進めていくという合意があるので、引き続き誠実に協議を進めていく。これが公明党の考え方だ。
一、3党合意を実現しようと考えているが、(実現には)「兆円」単位の財源がかかる。財政的課題を解決せずに政策を進めることはできない。そうした点でも、国民民主党と自民党、公明党で真摯に話し合い、協議を進めていくことが、3党合意にかなうことではないか。
【赤羽税調会長】
一、これまでに3党の税調会長で6回の会合を持ち、まずは国民民主党からの申し入れを受けるところから始まり、補正予算や税制改正で手取りを増やす方向で議論が行われた。
一、基礎控除の基準は、どの国も大抵は物価だ。(現行の基準が設定された)1995年と比べると、食費や光熱費など生計を支えるための支出が2割ほど上がっている。これを勘案して、123万円への引き上げからスタートしたいとの思いで、5回目の3党協議で提示した。
一、いっぺんに178万円にできないことは、3党幹事長の中で共通認識がある。知恵を出し合っていかないといけないので、まず第一段階として123万円を提示した。国民民主の意見もしっかり聞いて議論を詰めたかったが、6回目で席を立たれてしまった。与党の側から協議を打ち切った認識はないし、国民民主側との議論ができるならば、引き続き進めていきたい。