車いす用スペースが増設されたのは東海道新幹線の最新型「N700S」で、7月には5編成まで拡大する。1編成に6席のスペースがあり、車いすのまま利用できる窓側3席と、車いすから移れる座席がある通路側の3席となっている。従来は2席だった。予約方法は、5月20日乗車分から、従来の電話による予約に加え、オンライン予約が可能になった。今回の車いす用スペース増設は、2020年10月に国土交通省がバリアフリー整備に関する基準を改正したことに伴うものだ。改正では、車いす用スペースの座席数を、1編成で3~6以上確保することを基準とした。さらに、インターネットで利用予約から購入までを完結する利便性の高いシステムの導入なども求めている。今年7月1日からの基準適用に対応するため、JR各社は車いす用スペースの導入計画を進めている。これまでの新幹線の車いす用スペースは、通路側のある上、面積が狭く、車いすが通路にはみ出してしまっていた。東海道新幹線の場合、1編成全1323席のうち車いすで利用できるのは、車いす用スペース2席と多目的室だった。予約も車いす用スペースは原則として、電話や窓口で2日前までの申し込みが必要で利用者にとって不便だった。こうした現状は放置できないとして、赤羽国土交通相が19年12月の記者会見で、車いすの人が利用しやすいように、予約の手続きなどの改善に向けた検討会を設置する考えを表明。この検討会では、予約方法に加えて、座席数を増やすことや配置についても検討され、20年8月に改善策を決定。同10月の基準改正につながった。